魚沼の木材 | 根曲がり杉とブナ林

 

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魚沼の木材

 

魚沼の森

雪のデザイン

コシヒカリで知られる魚沼市は、日本有数の豪雪地帯でもあります。雪の多い年はところによっては5mを超えることもあります。その大量な雪が春から夏にかけて、豊富で清冷な雪解け水となって田畑を潤すことで、粘りや甘みの強い美味しいお米を育んでいます。そして、雪が育んでいるのはお米だけではありません。田畑を縫う川をさかのぼっていくと、豊かな広葉樹の森の裾野にたどり着きます。そこでは、根元から幹がL字に大きく曲がった木々が、天に向かって枝葉を背一杯伸ばしています。これこそもう一つの雪のデザイン、根曲がりの森です。

 

歴史

日本中どこの山村もつい50年前までは、電気やガスが無く、薪や炭を頼りに炊事や暖を取る生活を営んでいました。魚沼でも同じで、薪や炭を供給してくれる里山はとても貴重な財産でした。そこでは15〜20年程の周期で育った木々を伐採し、薪や炭にしていましたので、今日のような根曲がりの森は村々の近くにはありませんでした。その後、電気やガスが普及すると、森の木々は伐採されなくなり、根元が曲がった木が次々に成長してきました。
一方、人手がほとんど入らない奥山では、毎年の積雪に耐え、谷底に向けてへし折られてしまいそうな雪の重みを跳ね返しながら、天を目指して少しずつ、少しずつ成長を続けた大木が沢山生えていました。その姿は山を登る大きなブーツの群れのようでした。ちょうど村々で電気やガスが普及した頃、増え続ける電気を賄うために大きなダムが作られ、奥山の大木は次々に切り倒され、紙の原料のパルプに変えられていきました。今日の奥山は、里山と同じように、「二次林」と呼ばれる伐採後に再生した森が形づくられています。

 

美しい森

人手が入らない二次林はいずれ、木々が枝を広げ、天を覆い、足元でもつる植物が繁茂し、鬱蒼とした森になっていきます。このような鬱蒼とした森は、一部の植物が光を独占してしまうので、多様な山菜や茸は生息できません。
しかし、魚沼市の大白川地区には、ブナの二次林を何十年も時間をかけて、世代を超えて手入れしてきた森があります。大きく育ったブナの大木の間隔が適度に調整されて、木漏れ日が美しく差し込む森になっています。足元には、無数のブナの幼樹が育ち、春の山菜、秋の茸も豊富に実る、生命満つる空間です。

 

 

魚沼の木材

 

魚沼の木材

根曲がり杉

薪や炭が作られなくなった里山に、およそ50年前に植えられたのがスギの木です。真っ直ぐしなやかに育つスギは、住宅の柱や床などに重用されますが、ここ魚沼では雪が凝ったいたずらをしかけます。根元が大きく曲がったスギは、癖もありますが、粘りがあり、褶曲した木目が独特の風合いを生み出す個性的な木材です。
かつて、魚沼でも、天然スギの根曲がり大木を、民家の天井を支える曲がり梁として、曲ったその形状のままに使われることもありました。今日では、曲がりを利用したベンチや独特の木目を活かした壁板などに利用されています。

 

 

魚沼の木材

 

ブナ

ブナは、シンプルな木目模様と滑らかな肌触りが特徴の木材で、曲げ加工に強いため、椅子などの家具に重用されます。特に魚沼市のブナは雪深い環境で育っているためか、木目に独特の変化があり、より粘り強い性質を持っています。木目や強度を活かした、パーティションや収納ボックス、スツールなどの商品の開発を行っています。

 

 

魚沼の木材

 

これからの魚沼の森

魚沼市の美しく、豊かな森を味わえる拠点があります。峠のふるさと広場には、キャンプ場や炭焼体験施設に併せて、ブナを中心にした広葉樹の森があり、四季の変化を楽しむハイキングに適しています。
入広瀬ハーブ香園は、ハーブの体験施設やキャンプ場、スポーツ施設に併せて、ツリークライミングも体験できます。小高い山の中腹にあるため、専用のロープを使って樹上に立つと、眼下に魚沼の田園が広がり、遠く越後三山などを見渡すことができます。